ア】僧官及び其他の神聖なる物を賣買すること、この語の出處につきては地、一九・一―六註參照
【汚吏】baratti 公私に論なく己が職務を利用して益をはかる者
【第二の】これよりめぐらんとする獄の中の第二、即ち全體よりいへば第八の獄
六四―六六
【ディーテ】地獄王ルキフェル(地、八・六七―九註參照)
七〇―七二
デイーテ城外の諸地獄にある者(第五、第二、第三、第四)
七九―八四
【汝の倫理】アリストテレスの倫理學第七卷の始め
ダンテの分類とアリストテレスの分類とは同一にあらず、ダンテの邪惡はアリストテレスの邪惡とその義を異にすムーア博士曰、ダンテはまづアリストテレスにより、地獄に罰せらるべき凡ての罪をば情を制する能はずして犯せる罪と痼疾の罪との二にわかちさらにキケロにより、後者を力と欺の二にわかてるなりと(『ダンテ研究』第二卷一五八頁以下)
八五―八七
【上に外に】地獄の上方ディーテの門外
八八―九〇
【復讎】異本、正義
九一―九六
【汝の言】四六行以下
九七―一〇五
【その枝】神が自ら定めたまひし故に從ひてその業をなしたまふこと
【汝の理學】アリストテレスの『理學』(フィージカ)二卷二・七
【孫】人間の技は自然よりいで自然は神よりいづ、故に人間の技は神の孫の如し
一〇六―一〇八
【二のもの】自然と技、即ち人は自然に倣ひその法に從つて努力し神の賜を自然の中に求むべきものなること
【創世記】創世記三・一九に曰く、汝顏に汗して食を得べし
一〇九―一一一
高利を貪る者は神の定むるところに反し自然の恩惠と自己の努力によりて富を求むることをなさずたゞ貨をして貨を生ましむるの道をとりその望みを不正の利益におきて自然とその從者なる人間の技とをないがしろにす
一一二―一一四
【雙魚】雙魚宮は白羊宮にさきだつ天の十二宮の一、この時太陽は白羊宮にあり(地、一・三八)そのあらはるゝは雙魚の星に後るゝこと約二時間なり、故に兩詩人がアナスタシウスの墓側を離れしは日出前約二時間乃ち四月九日年前四時の頃なるべし
【コーロ】西北の風、こゝには西北の空の意


    第十二曲

詩人等斷崖を下りて第七の地獄第一の圓にいたればこゝに血の流れあり他人にむかひて暴なるものを煮またあまたのケンタウロス(チェンタウロ)ありて掟に從はざるものを射る、その一ネッソス(ネッソ)ウェルギリウスの請ひによりダンテを負ひ
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