たればこれに因みて法令を祈りといへるなりと
八八―九〇
【かの事】モンタペルティの戰ひ
九一―九三
【處】エムポーリ、フィレンツェの西十九哩なるアルノ河畔の町、モンタペルティの戰ひの後ギペルリニ黨の人々この處に相會し後日の累を免かれんためフィレンツェ破壞の事を議せしがファーリナータ一人の劇烈なる反對ありて議遂に成るに至らざりきといふ
九七―九九
汝等は未來の事を知りてしかも現在の事に暗きに似たり、ファーリナータはダンテの未來を豫知しカヴァルカンテはわが兒の生死を知らず
一〇〇―一〇二
【光備はらざる】遠視眼の
こゝに我等といへるは地獄全體の罪人を指せるか第六の地獄の罪人のみを指せるか明かならざるに似たれども註釋者多くは之をもて全地獄の罪人と解せり、地、二七・二五以下にグイード・ダ・モンテフェルトロがローマニアの現状をダンテに問ひし如きまたこの例に洩れず、罪人の未來を豫言せる例は處々に見ゆれども現在の事を語れる例はたゞ第六曲のチヤッコの物語にあるのみ(地、六・四九以下、同七三)、さればむしろチヤッコを例外と見做すかた自然なるべし
一〇六―一〇八
最後の審判の日至れば未來の門は閉されて永遠の門開かる、未來既に消滅すれば未來の事にかぎられし罪人の知識は從つて全く消滅す
一〇九―一一一
【咎】カヴァルカンテの問に直ちに答へざりしこと(七〇―七一行)
一一八―一二〇
【フェデリーコ】有名なるローマ皇帝フリートリヒ二世(一一九四―一二五〇年)、エピクロスの徒と見做されし者
【カルディナレ】オクタヴィアーノ・デーリ・ウバルディニ、一二四五年カルディナレとなり、同七三年に死す、ギベルリニ黨に屬しエピクロスの流れを汲める者にて死に臨み、たとひ世に魂なるものありとも我は既にギベルリニ黨のためにこれを失へりといへりと傳へられる
一二七―一二九
【わが言に】原、こゝに
【指を擧げたり】ダンテの注意を促すため
一三〇―一三二
【淑女】ベアトリーチェ。ベアトリーチェ、ダンテにすゝめてカッチャグイーダにその生涯の事を問はしむ(天、一七・七以下)
一三三―一三五
【溪】第七の地獄


    第十一曲

第六の地獄を去るに臨みウェルギリウスはこれよりめぐるべき三の地獄の構造とその中なる罪人の分類を論じディーテ城門の内と外との罪を比較しさらに高利を貪る者の罪を擧げてダンテに教ふ
一―三
【岸】第六と
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