ュの罪人を葬れるなり
一三〇―一三二
【右】詩人等地獄をくだるに常に道を左にとれり、これ罪の道は左より左にむかひ、惡より惡に進むを示せるなり(地、一四・一二六參照)しかるにこれに反し道を右にとれること二囘ありその一はこの處、他は地、一七・三一にいづ、この二囘の例外につきてはダンテの眞意知りがたし


    第十曲

詩人等第六の地獄の中エピクロス(エピクロ)及びその一派の者の葬らるゝところにいたりし時ダンテはこゝにファーリナータ及びカヴァルカンテとかたり前者の言によりてその身のフィレンツェより逐はるべきを知る
一―三
【かくれたる】異本、狹き
一〇―一二
【ヨサファット】エルサレムに近き溪の名、最後の審判の行はるゝところ(ヨエル書三・二及び一二)
一三―一五
【エピクロ】エピクロス、有名なるギリシアの哲學者、エピクロス學派を起せるもの(前三四一―二七〇年)
一六―一八
【願ひ】フィレンツェの者を見んとの願ひなるべし
一九―二一
【今のみならじ】多言を愼しむの意を起さしめしは今のみにあらず(地、三・七六―八一參照)
二二―二四
【トスカーナ】ダンテの郷國、フィレンツェこの中にあり
二五―二七
【郷土】フィレンツェ
【虐げし】フィレンツェのグエルフィ黨を惱まし(三一―三行註參照)
三一―三三
【ファーリナータ】フィレンツェなるウベルティ家の出、一二三九年ギベルリニ黨の首領となる、一二五八年その徒黨と共に郷土を逐はれてシエーナにいたりこゝに同志を糾合し同六〇年九月グエルフィ黨とモンタペルティ(八五―七行註參照)に戰ひ大いにこれを敗る(一二六四年死)
三七―三九
【明かならしめよ】政敵に對して言語の明截的確なるべきを注意せしなり
四三―四五
【從はん】ウェルギリウスの注意に背かざらんため
【眉をあげ】過去の記憶を呼起すさま
四六―四八
【かれら】ダンテの父祖は皆グエルフィ黨なりければ
【兩度】一二四八年友び一二六〇年
四九―五一
【前にも後にも】一二五一年及び一二六六年
【術】フィレンツェに歸ること、一二六六年ベネヴェントの戰ひの後グエルフィ黨再びフィレンツェに歸りギベルリニ黨はこゝより逐はる、一二八〇年にいたりて兩黨調停の事あり、されどウベルティ一家の者はなほその郷土に入るを許されざりき
五二―五四 或ひは、この時頤まであらはなりし一の魂これとならびてあらはれいでたり

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