に捧げ奉る事が出来るのであります。
本心を殺して時節を見る事を知らずに正面から諫言をする一刻者の鼻の表現のうちに当然含まれている良心の輝き、主人に対する怨恨、不平、さかしら振り、そのようなものがいろいろ主人の反感を買うのとうらはらに、悪党たちの柔和な、へり下った鼻の表現が着々として成果を収めて行くのは無理もない事であります。
こうして回を重ねた揚句《あげく》、事|遂《つい》に発覚して首の座に坐って、いよいよこれで一代記の読み切りという処まで来ても、彼等悪党は自若として鼻の表現をたじろがせずに一命を終るものすら珍らしくないのであります。
横着政治家
――悪魔式鼻の表現(五)
横着政治家も亦《また》この例《ためし》に洩れません。殊《こと》にマキャベリー式政治家に鼻の表現を使いわけるタチの人が多いようであります。
この種政治家は事実でもない事を事実として吹聴して人を驚かしたり、確信も無い事を実際に出来るかのように世間に認めさせたりしなければならぬ場合に数限りなく出合うために、つい有意識無意識の間に鼻の表現の使い方をおぼえ込んでしまうのであります。
老人に
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