動的人格の所有者でなければなりませぬ。
 同様に動的表現の支配的象徴者は、不動的表現の具有物でなければなりませぬ。
 ダメス王の王座はこの如くにして、埃及の国家組織の中心に自ら胚胎した事でありました。
 王の鼻の座もこの如くにして、王の顔面の中央に天然自然と開設されたものに相違ありませぬ。
 王の鼻の動的表現が無から有を生じた事は、かようにして遺憾なく証明されるのであります。その動的表現の存在はかようにして否定され得るのであります。
 その間に何等の不可思議もありませぬ。
 何等の予質もありませぬ。
 人間の知識では驚異に値するかも知れませぬ。しかし神の国に於いては、不可解の存在は許されませぬ。予質の神秘は認められませぬ」
 月の神はかようにしてダメス王の鼻の動的表現能力を絶対に否定して、席に着きました。同時に並居る諸神は悉く絶対に、鼻の動的表現能力を認め得たのでありました。そうしてこの時、月の神と犢の神とが人知れず顔を見合わせてニッコリと笑いました。これを気付いていたのは只記録係タータの神ばかりでありました。
 ここに於て四十二名の判官は別室に退いて、一つの判決文を作りました。そうし
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