ドキドキし初めました。そうして、これは何でも不思議なことが初まるに違いないと思いまして、ソッと引返して裏の方へまわって、そこにあった梯子を伝って屋根裏から天井へ這入って、家の中の様子をのぞきました。
 鍛冶屋の爺さんが天井の節穴から覗いているとは知らずに、無茶先生は久し振り人間の住む家に這入ってキョロキョロしている豚吉とヒョロ子のうしろから鍛冶屋の鉄槌で頭を一つ宛《ずつ》なぐり付けますと、豚吉とヒョロ子はグーとも云わずに土の上にたおれてしまいました。
 鍛冶屋の爺さんは驚きました。
「ヤア。これは大変だ。あの山男は人殺しだ」
 と思わず声を立てるところでしたが、やっと我慢をしました。
「それにしてもあの殺された人間は何という不思議な姿であろう。男の方は横の丸さが当り前の人間の倍もあるのに、背丈けは半分しかない。又、女の方はヒョロヒョロ長くて、まるで竹棹《たけざお》のようだ。何という不思議なことであろう。あの山男はあの二人を殺して喰うのか知らん」
 と、一生懸命息を詰めて見ておりました。
 無茶先生はそれから鍛冶屋にありたけの鉄を集めて真赤に焼いて、たたき固めて、一つの大きなヤットコと鉄
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