人の塩漬けの樽と鞄を結びつけた棒を担《かつ》ぎ上げて、まだお酒の残っている樽を右手に持ちながら梯子段を降り初めました。
「ヤアヤア。こいつは途方もなく重たいぞ。ああ、苦しい。屁が出そうだ屁が出そうだ。オットドッコイ。あぶないあぶない。屁の用心。屁の用心」
 と云いながら、大威張りで降りて表へ出て行きましたが、兵隊たちはみんな耳へ指を詰めて眼をとじて、一生懸命小さくなっていましたので、誰も捕まえようとするものがありません。
 そのうちに無茶先生は表へ出ますと、大きな声で、
「アア。やっとこれで安心した。ドレ、ここで一発放そうか」
 と云ううちに、大きなオナラを一つブーッとやりました。
 無茶先生のオナラをきいた兵隊たちは、
「大変だっ」
 と耳を詰めましたが、あとは何の音もきこえません。
 さてはほんとに耳が潰れたかと思っていますと、そのうちに、
「コケッコーコーオ」
 と一番鶏の声がきこえました。
「オヤオヤ。一番鶏の声がきこえるくらいなら耳は潰れていないのだな。そんならあの屁は只の屁で、きいても耳は潰れないのだな。サテはおれたちは欺されたな」
 と、一人の兵隊が眼を開いて見ますと、室
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