うして、一つの樽が一パイになると、又次の樽に詰めて、六つの樽を一パイにしますと、それぞれに蓋をして縄で縛り上げて、二つにわけて六尺棒の両端に括《くく》り付《つ》けました。
それから鞄から眼鏡を取り出してかけると、その鞄も一所に棒にくくり付けてしまって、火鉢の傍にドッカリと座りながら、
「サア来い。エヘンエヘン」
と咳払いをしました。
大将はこの様子を見るといよいよ驚き怖れましたが、思い切って大きな声で、
「サア、皆。魔法使いを捕えろッ」
と怒鳴りますと、四五人の兵隊は一時に室の裏表からドカドカと飛び込みましたが、無茶先生は驚きません。大きな声で笑いました。
「アハハハ。何だ、貴様たちは」
「兵隊だ」
「何しに来た」
「貴様たち三人を捕まえに来た」
「お前たちの鼻の頭にかぶせた布片は何だ」
「これは昨日《きのう》のように貴様に香水を嗅がせられない要心だ」
「アハハハハ。いつおれが貴様たちに香水を嗅がせた」
「この野郎。隠そうと思ったって知っているぞ。貴様は無茶先生だろう」
「馬鹿を云え。おれは塩漬け売りだ。この通り荷物を作って、夜が明けたらすぐに売りに出かけようとするところだ。第
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