かるた》会、豆撒き、彼岸、釈迦まつり、雛《ひな》と幟《のぼり》の節句、七夕の類、クリスマス、復活祭、弥撒《ミサ》祭なぞと世界的である。そのほか花の日、旗の日、慈善市、同窓会、卒業祝、パス祝、誰さんの誕生日まで数え込んだら大変であろう。又、そんなのに一々義理を立てたら、吾家《うち》の晩御飯をいただく時はなくなりそうである。
少年少女が又こんなのに行きたがる事、奇妙である。
案内書の秘密
美しいお嬢さんの居る家に一枚のビラが配られた。青白い上等の紙に新活字で印刷してある。
……………………
[#ここから1字下げ]
××社交クラブ成立案内書
大正の大震火災後社会の風潮は著しく悪化して参りました。良家の子女は今や全く社交を禁ぜられているかの観があります。(中略)吾々はここに見るところあり、××社交クラブを組織し、(中略)特に良配偶を求めらるる子女及び父兄のためには、この会ほど安全で適当なものは他にあるまいことを信じて疑いませぬ次第であります。(下略)
大正十三年九月一日
[#ここで字下げ終わり]
とあって、賛助員に後藤新平、中村是公、目賀田種太郎、金子堅太郎なぞい
前へ
次へ
全263ページ中139ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
夢野 久作 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング