わばった顔をして、白々と私を凝視しておりましたので、私はいよいよビックリしてしまいました。
 それでも私は何の気も付かずに頭を左右に振りながら申しました。
「いいえ。別に何にも、そんな理由はありませんわ。ただもう二、三日考えさして頂きたいだけなのです。一生の事ですから……」
 両親はこの時にチラリと異様な白い眼を見交したように思います。それから父は改まった咳払いを一つしました。
「ふうむ。それならば尋ねるが、お前は何か私たちに隠している事が在るのじゃないかい。そのために大阪に行かれないのじゃないかい」
 私はハッと胸を衝《つ》かれましたが、すぐに気を落ち着けて、何気なく頭を左右に振りました。ため息を一つしながら……。
「いいえ。何も……」
「それじゃ……お前は再昨日《おとつい》の晩、何処へ行っていたのだえ」
 継母が氷のように冷たい静かな声で、横合いから申しました。
 私は音のない雷に打たれたようにドキンとしながら、ガックリと俛首《うなだ》れてしまいました。多分、私の顔は死人のように青|褪《ざ》めていたことでしょう。ただもう気がワクワクして胸がドキドキして、身を切るような涙がポタポタと
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