式になっている、享楽の豪華版なんだ。勘定は受持つから是非彼女を引張って来たまえ」
「ヘヘヘ。恐れ入ります」
「イヤ。彼女は面白いよ。だいぶ変っているよ。僕も今夜はモット若いのを連れて行く」
 と言うようなお話も、何かの因縁のように、不思議と私の耳の底に残っておりました。
 そのようなお話を取集めて考えてみますと、校長先生は、御自分の名誉と地位を利用して、学校をお金儲けの道具に使ってお出でになるのでした。そうして、そんなようなお金を使って、どこか秘密の場所で、お友達を集めて遊んでお出でになるのでした。
 けれども私はチットモ驚きませんでした。
 私は涙もろい気の弱い女の癖に、そんな恐ろしい、浅ましいお話を聞くのが面白くて面白くて仕様がないのでした。そうして、とうとうたまらない好奇心に駆られました私は、そんなお話を聞いた後に二、三度、学校の帰りに温泉鉄道に乗って、温泉ホテルを見に行って来ました。どんな人が来て、どんな事をする処かスッカリ見定めて来ましたが、そんな事を見たり聞いたりするのが又、何よりの修養になるのでした。つまり、そんな風にどこどこまでも浅ましい世間の様子がわかって参りますうち
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