の時間と空間の大きな大きな虚無の中で飛んだり、跳ねたり、泣いたり笑ったりしておられるのです。同窓の少女たちは、めいめいに好き勝手な雑誌や、書物や、活動のビラみたようなものを持ちまわって、美しい化粧法や、編物や、又はいろいろなローマンチックな夢なんぞに憧憬《あこが》れておられます。甘い物に集まる蟻のように、または、花を探しまわる蝶のように幸福に……楽しそうに……。
私にはソンナものがスッカリ無意味に見えて来ました。私の心のうちの虚無の流れと、宇宙の虚無の流れが、次第次第にシックリとして来ました。そうして私は放課後、日の暮れるまでも、あの廃屋《あばらや》のボロボロの籐椅子の上に身体を伸ばして、何となくニジミ出て来る淋しい淋しい涙で私自身を慰めるのが、何よりの楽しみになって来ました。
けれども、そうした私の秘密の楽しみは間もなく大変な事で妨げられるようになりました。
あの半分腐れかかって、倒れかかって、いろいろなガラクタと、白蟻と、ホコリで一パイになっている廃屋は、ちょうどあの海岸通りの四角にスックリと立っている、赤煉瓦《あかれんが》の天主教会が校長先生のいろいろな美徳のホームでありま
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