められている。尚、右記事の解禁後は捜索の方針が全然一変するらしいから、或《あるい》は意外の方向から意外の真相が暴露されるかも知れない。
焼失した物置は[#「焼失した物置は」は1段階大きな文字]
以前の作法教室
校長は引責謹慎中
因《ちなみ》に焼失したる県立高女の廃屋《あばらや》は純日本建、二階造の四|室《ま》で、市内唯一の藁葺《わらぶき》屋根として同校の運動場、弓術道場の背後、高き防火壁を繞《めぐ》らしたる一隅に在り。嘗《かつ》て同校設置の際、取毀《とりこわ》されたる民家のうち、校長|森栖《もりす》氏の意見により、同校生徒の作法|稽古場《けいこば》として取残されたものであるが、その後、同校の正門内に卒業生の寄付に係る作法実習用の茶室が竣工《しゅんこう》したため、自然不要に帰し、火災直前までは物置として保存されおり、階上階下には運動会用具その他、古|黒板《こくばん》、古|洋燈《ランプ》、空瓶、古バケツ、古籐椅子等が雑然として山積されていた。その階下に屍体を横たえて放火したものらしく、しかも火勢が非常に猛烈であったため、腹部以下の筋肉繊維は全然、黒き毛糸
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