これはお土産ですよ。約束の紅梅焼です。お眼ざましにお二人でお上んなさい」
「……アラマア……どうも済みません。お兄さまってば、お兄さまってば、お礼を仰有《おっしゃ》いよ。こんなに沢山いいものを……まだ寝ぼけていらっしゃるの……」
「アハハハハ……ハ。又足の夢でも御覧になったんでしょう……」
「……まあ……足の夢……」
「ええ。そうなんです。足の夢は新東さんの十八番《おはこ》なんで……ヘエ。どうぞあしからずってね……ワハハハハハハハ」
「マア意地のわるい……オホホホホ……」
「…………………………………………」



底本:「夢野久作全集8」ちくま文庫、筑摩書房
   1992(平成4)年1月22日第1刷発行
底本の親本:「瓶詰地獄」春陽堂
   1933(昭和8)年5月15日発行
入力:柴田卓治
校正:山本奈津恵
2001年6月16日公開
2006年3月16日修正
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