ャと現われたり、その現われた風物に、現実世界に於ける心理や、物理の法則が、その通りに行われて行くかと思うと、神話、伝説にもないような突飛《とっぴ》な法則によって、その風物が行きなり放題に千変万化したりするので、その夢の正体と、そうした夢の中の心理、景象の変化の法則については古来、幾多の学者が、頭を悩まして来たものであるが、ここにはそのような夢の特徴の中でも、夢の本質、正体を明らかにする手がかりとして最も重要な、左の三項を挙げる。
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 (一[#「一」は太字])夢の中の出来事は、その進行して行く移り変りの間に非常に突飛な、辻褄《つじつま》の合ないところが屡々《しばしば》出て来る。否。そのような場合の方がズッと多いので、そんな超自然な景象、物体の不合理極まる活躍、転変が、すなわち夢であると考えた方が早い。にも拘わらず、その夢を見ているうちには、そうした超自然、不合理を怪しむ気が殆ど起らないばかりでなく、その出来事から受ける感じがいつでも真剣、真面目《しんめんもく》で、現実もしくは現実以上に深刻痛切なものがあること。
 (二[#「二」は太字])未だ曾て、見た事も聞いた事もない風景や、ステキもない天変地妖が、実際と同様の感じをもって現われて来ること。
 (三[#「三」は太字])夢の中に現われて来る出来事は、それが何年、何十年の長い間に感じられる連続的な事件であっても、それを見ている時間は僅に分、もしくは秒を以て数え得る程に短かいものである事が近代の科学によって証明されていること。
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 以上列挙して来たところの「胎児」と「夢」とに関する各種の不可思議現象は、何人《なんぴと》も否定し得ない科学界の大疑問となっているのであるが、しかも、そうした不可思議現象が、何故《なにゆえ》に今日まで解決されていないか。これらの不思議を解決する鍵が、どうして今日まで、誰にも見当らなかったかという疑問について考えてみると、これには二つの原因がある。
 その一つは人間を胎生させ、且《か》つ、その胎生によって完成した成人に夢を見せるところの人体細胞に関する従来の学者の考え方が、全然間違っていること、それから今一つは、この宇宙を流れている「時間」というものに対する人類一般の観念が、根本的に間違っていること……とこの二つである。
 言葉を換えて云えば、人体を組
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