のであるが、日本の食物ではBが最も缺乏し易い。その次がA・Dであらう。米國ではBは餘り問題にされず小兒のD缺乏が最もやかましくなつて居る。ロシヤではCが問題だ。斯くの如く各國皆趣を異にして居るのは面白いことである。
 ヴィタミンを産業の方面に應用することも澤山ある。余等はこの方面で役に立つことをやりたいと思つて居る。何の研究でもさうだが、かういふ研究は全く根氣が續かなくては駄目である。折角始めても、途中で止めては何にもならない。幸に私は理化學研究所と駒場に、多數の共同研究者を持つて居る。倦まずにやつたならば、今後も何か面白いことが出來るだらう。



底本:「研究の回顧」輝文堂書房
   1943(昭和18)年2月25日初版発行
   1943(昭和18)年11月11日再版発行
初出:「科學知識」科學知識普及會
   1931(昭和6)年2月1日発行
※底本では題名に章番号「一」が付け加えられていますが、独立した一編として取り扱うために省略しました。
※「フヰシャー先生」と「フヰツシャー先生」の混在は、初出誌を参照して「フヰツシャー先生」に統一しました。
入力:小林 徹
校正:大野 晋
2004年12月14日作成
青空文庫作成ファイル:
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