はわからねえという奴でな、己ぁ気が進まねえんだ。で、お前と己とは、言わば互《たげえ》に持ちつ持たれつで、しっかりくっついていなきゃいけねえ。そしてどんなことがあろうと首が助かることにしようぜ。」
 ちょうどその時、一人の男が焚火のところから朝飯の支度が出来たぞと私たちを呼んだ。それで、私たちはやがて砂地のここかしこに坐って堅パンとフライにした塩漬肉とを食べ始めた。彼等は牛を一頭丸焼するに適当なくらいの火を焚いてあった。そしてそれが今非常にかっかと盛んに燃えているので、風上からようやくその火に近づけるだけで、その方からでも用心をしなければ近づけなかった。それと同じ浪費的な気持で、彼等は食べ切れる三倍もの肉を料理したようであった。そして一人の奴は、訳もなくげらげら笑いながら、残った分を焚火の中へ投げ込んだ。火は、こういう珍しい燃料を抛《ほう》り込まれて、ますます盛んにごうごう音を立てて燃えた。私は今までにあんなに明日《あす》のことを気にかけない人たちを見たことがない。その日暮しというのが彼等のやり方を説明し得る唯一の言葉である。そして、彼等は小競合にはすこぶる大胆ですぐにけりをつけてしまうけれども、食物を浪費したり歩哨が眠ったりするのでは、とても永びく戦争などには全然不適当だということが私にはわかった。
 シルヴァーでさえ、肩の上にフリント船長をとまらせて、盛んに食べながら、彼等の思慮のなさに対して一言の非難もしなかった。そして、彼がそれまでにこの時ほどの狡猾さを示したことは一度もないと私は思ったので、そのことは私を一層驚かせたのだ。
「そうさ、兄弟、」と彼は言った。「|肉焼き台《バービキュー》がいてこの頭でもってお前たちのために考えてやるてえのは、お前たちにゃ仕合せなことだぜ。己はほしかったものを手に入れたんだ、そうとも。なるほど、奴らは確かに船を持っている。どこに持ってるのか、己ぁまだ知らねえ。だが、己たちは宝を見つけせえすりゃ、方々跳び※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]って探しあてるさ。そうなれぁ、兄弟、ボートを持っている己たちの方が勝ちだと思うな。」
 彼は、口一杯に熱い塩漬豚肉を頬張りながら、こんな風にしゃべり続けた。こうして彼は皆の希望と信頼とを回復した。同時に自分の希望と自信とをも取戻したのだろうと思う。
「この人質のことを言えばね、」と彼は話し続
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