へと彼の性格は次第に描かれて来る。ストライヴァーは(第二巻の終りの方である一つの小さな役割を演ずる他は)このカートンの対照に書かれているのである。徹夜して酒を飲みつつ仕事をしてから、カートンはマネット嬢のことを思って憂鬱になりながら、どんよりした陰気な夜明の戸外へ出る。周囲の沙漠。一瞬の蜃気楼。浪費されている才能を抱いて埋もれている男。印象的な場面。
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第六章 何百の人々 前章から四箇月後すなわち一七八〇年七月頃。同じくロンドン。ソホー広場附近のマネット医師一家の閑静な住居が見事に描き出される。ある日曜日の午後。そこへロリー氏が訪ねる。ドーヴァーの旅館で初対面をした例のプロス嬢との対話。それによってマネット医師のことがまた語られる。なお、プロス嬢の話にちょっと出るように、彼女にはソロモン・プロスという弟があることは、この物語の後の方の章のために記憶されなければならない。嫉妬深いプロス嬢がお嬢さんに会いに来る何百[#「何百」に傍点]の人というのは、ダーネーとカートンとであった。マネットに何か衝撃《ショック》を与えたらしいダーネーのロンドン塔の囚人
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