年後のそれと同じような五十の館との光景を、その晩彼に見せてやることが出来たならば、彼は、火災で黒焦げにされ、掠奪で破壊された、その物凄い廃墟から、どれを自分のものとして主張していいか、途方に暮れたことであろう。彼の誇った屋根について言えば、彼はそれが[#「それが」に傍点]新しい方法で空を見えぬように遮るのを知ったであろう。――すなわち、その屋根の鉛が、幾万の小銃の銃身から発射されて、それに中《あた》った人々の死体の眼から、永久に、空を見えぬように遮る★、という新しい方法である。
「ともかく、」と侯爵が言った。「お前が望まんにしても、わしは家門の名誉と安泰とを保ってゆくつもりじゃよ。だが、お前は疲れているに違いない。今夜は話はこれで切り上げるとしようかな?」
「もうしばらく。」
「お前さえよければ、一時間でも。」
「われわれは、」と甥が言った。「悪事をして来たのです。そして今その悪事の報いを受けているのです。」
「わしたち[#「わしたち」に傍点]が悪事をして来たと?」と侯爵は、尋ねるような微笑を浮べて、最初に自分の甥を、次に自分を優雅に指さしながら、真似て言った。
「われわれの一家がです
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