に、やさしく、撫でさすりながら。
「閣下《モンセーニュール》、お聞き下さいませ! 閣下《モンセーニュール》、私のお願いをお聞き下さいませ! 私の亭主は貧乏のために死にました。たくさんの者が貧乏のために死にます。もっとたくさんの者が貧乏のために死にますでしょう。」
「それで? わしがその者どもを養えるか?」
「閣下《モンセーニュール》、それは有難い神さまだけが御存じでございます。けれども私はそんなことをお頼みするのではございません。私のお願いいたしますのは、私の亭主の名前を書きました小さな石か木片《きぎれ》を一つ、亭主の寝ております場所がわかりますように、その上に置かせていただきたいということでございます。でございませんと、その場所はじきに忘れられてしまいますでしょう。私が同じ病で死にます時にはそこはどうしても見つからないでこざいましょう。私はどこか他《ほか》の萎びた草のかたまって生えているところの下に埋められますでしょう。閣下《モンセーニュール》、死ぬ者はそれはそれはたくさんでございます。死ぬ者はずんずん殖えて参ります。貧乏な者がそれはそれはたくさんでございますから。閣下《モンセーニュ
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