の有名な博物学者。ことに昆虫《こんちゅう》学者として、その蒐集《しゅうしゅう》と著述とが知られている。
(7) ルグランが 〔antennoe&〕(触角)と言いかけたのを、ジュピターは tin(錫《すず》)のことと思い違いをしたのであろう。ボードレールは“Calembour intraduisible”だと書いているが、日本語でもやはり訳されないことは同様である。
(8) この「高い」loud という語は、ステッドマン・ウッドベリー版には「低い」low となっているが、ハリスン版、イングラム版、その他の諸版にはみな前者になっている。ボードレールの訳本もその意味に訳してある。ステッドマン版はこの語をグリズウォルド版に拠《よ》ったのであろうか。しかし、ここでは前者をとることにして、意味がまったく反対になっている相違なので特に注をしておく。
(9) dark lantern――光をさえぎる蓋《ふた》のついている角灯。
(10) guinea――十七世紀後葉アフリカ西海岸のギニー地方に産する金で初めて鋳造された往時のイギリスの金貨。一八一三年以降は鋳造されなかったのだから、この物語の書かれた当
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