て包容する所広く、神秘観を誘ふことが多かつた。其等の影響も、歌と神仏との神秘関係を、今一度新に考へ直した時代であるから、さうした超描写性の効果に思ひあたる様になつた事情もあらう。
恋歌から出た発想法が、他にも及んで新古今調の主流と考へられたものが成立したのだが、今見ればさう言つた歌はわりに尠く、唯たけ[#「たけ」に傍線]――調子の張つた上に、単調を救ふ曲節のあること――を目安としてゐたことが知れる。
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うつり行く雲に、嵐の声すなり。散るか、まさきの葛城の山(雅経)
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なるほどたけ[#「たけ」に傍線]は同感出来る。だが、其為に「散るかまさきの」の句が確実性を失うた。殊に「散るか」の効果は浮いたものになつてしまうた。おなじたけ[#「たけ」に傍線]のすぐれた物にも
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樗《アフチ》咲く外面《ソトモ》の木かげ 露おちて、五月雨|霽《は》るゝ風わたるなり(忠良)
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かう言つた見事な歌がないではないのに。
新古今時代になつて調子の緊張が問題になつて来たのは、万葉の影響も、多少出て来たのではあるまいか。調子を変
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