て、ひずりぶみ(新聞紙)・さむさはかり(寒暖計)・ていぶるの高足机などいふ新造語を拵へたが、俳諧趣味からの出来心であつた。其他近年になつて、西出朝風氏の口語短歌が現れたが、これは叙述語を口語にした、といふだけのもので、白秋氏のかあゆくなるの[#「かあゆくなるの」に傍点]ほどにも練れてゐなかつた。わたしが述べた数[#(个)]条の用意を忘れて、口語短歌を作るものがあつたら、それは必、失敗に終ることが予言せられる。譬ひ短歌全体を口語で組みたてゝも、畢竟無駄な話しである。
底本:「折口信夫全集 12」中央公論社
1996(平成8)年3月25日初版発行
初出:「アララギ 第十巻第三号」
1917(大正6)年3月
※底本の題名の下に書かれている「大正六年三月「アララギ」第十巻第三号」はファイル末の「初出」欄に移しました
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年8月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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