に起つた歌浄瑠璃や、端唄・小唄の発想法や、其感触が交つてゐても、不思議はないのである。平安末の雑芸《ザフゲイ》には、江戸の初期にも、まだ節の末が残つて居た。貫之や清少納言の興味を唆つた童謡・小唄・雑芸などより、又梁塵秘抄の讃歌・神歌以外の雑歌――催馬楽・風俗式の内容よりも、更に新しく――次に起らうとしてゐた閑吟集などに採用せられたしらべ[#「しらべ」に傍線]・感触である。誰も成功しなかつた民謡調を、存外すら/\としらべ出されたものと思ふ。
後鳥羽院の「思ひ出づるをりたく柴の夕煙。むせぶもうれし。忘れがたみに」の歌と関係のある
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何とまた 忘れてすぐる袖の上に、ぬれてしぐれの おどろかすらむ(家長日記)
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なども、「何とまた」からして味ひが違ふ。頼政の「これ聞けや」などの系統である。此等の御製は、歌としての値うちは別として、長い陣痛の後に発生するはずの文学様式を、わりにたやすく暗示せられた。併し此が、一時の試みとして過ぎたのは惜しかつた。
新古今の同人等の、道ぐさに行きはぐれた正しい道は、玉葉の為兼によつて明らかに具体化せられた。併し、後鳥羽
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