が、かうした詩語詩体論をする理由は、明治十年度から試みはじめられた詩は、結局新しい未来詩を発見する為の努力であつたはずである。ところがそれを発見する事が出来ず、発見する道程として、積んで来た努力は、一歩々々新しい詩体に近づかうとして、こゝに凡それを捉へる時期に到達したのである。こゝでわれ/\の前に横はつてゐるものは、飜訳せられた外国詩の多くであつて、これが日本の詩のおもむくべき方向を示してゐるものと言ふ事に考へ到る訣である。外国詩の内容を内容とするに至つて、外国詩の様式を様式とし、自ら孕まれる内容こそ思ふべきものなのである。
底本:「折口信夫全集 12」中央公論社
1996(平成8)年3月25日初版発行
初出:「現代詩講座 第二巻」
1950(昭和25)年5月
※底本の題名の下に書かれている「昭和二十五年五月刊「現代詩講座」第二巻」はファイル末の「初出」欄に移しました
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年8月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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