其が幾かせ[#「かせ」に傍点]、幾たま[#「たま」に傍点]と言う風に貯《たま》って来ると、言い知れぬ愛著《あいちゃく》を覚えて居た。だが、其がほんとは、どんな織物になることやら、其処までは想像も出来なかった。
若人たちは茎を折っては、巧みに糸を引き切らぬように、長く長くと抽《ぬ》き出す。又其、粘り気の少いさくい[#「さくい」に傍点]ものを、まるで絹糸を縒り合せるように、手際よく糸にする間も、ちっとでも口やめる事なく、うき世語りなどをして居た。此は勿論、貴族の家庭では、出来ぬ掟《おきて》になって居た。なっては居ても、物珍《ものめ》でする盛りの若人たちには、口を塞《ふさ》いで緘黙行《しじま》を守ることは、死ぬよりもつらい行《ぎょう》であった。刀自らの油断を見ては、ぼつぼつ話をしている。其きれぎれが、聞こうとも思わぬ郎女の耳にも、ぼつぼつ這入《はい》って来勝ちなのであった。
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鶯の鳴く声は、あれで、法華経《ほけきょう》法華経《ほけきょう》と言うのじやて――。
ほう、どうして、え――。
天竺のみ仏は、おなご[#「おなご」に傍点]は、助からぬものじゃと、説かれ説かれして来た
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