り出て見て居た。咎めようとしても、思ひつめたやうな目して、見入つて居る姫を見ると、刀自は口を開くことが出來なくなつた。
日晒しの莖を、八針《ヤツハリ》に裂き、其を又、幾針にも裂く。郎女の物言はぬまなざしが、ぢつと若人たちの手もとをまもつて居る。果ては、刀自も言ひ出した。
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私も、績《ウ》みませう。
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績《ウ》みに績み、又績みに績んだ。藕絲《ハスイト》のまるがせが、日に/\殖えて、廬堂《イホリダウ》の中に、次第に高く積まれて行つた。
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もう今日は、みな月に入る日ぢやの――。
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暦《コヨミ》の事を言はれて、刀自はぎよつ[#「ぎよつ」に傍点]とした。ほんに、今日こそ、氷室《ヒムロ》の朔日《ツイタチ》ぢや。さう思ふ下から齒の根のあはぬやうな惡感を覺えた。大昔から、暦は聖《ヒジリ》の與る道と考へて來た。其で、男女は唯、長老《トネ》の言ふがまゝに、時の來又去つた事を教《ヲソ》はつて、村や、家の行事を進めて行くばかりであつた。だから、教へぬに日月を語ることは、極めて聰《サト》い人の事として居た頃である。愈々魂
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