示すだけには止らなくなつた。
巣林子《さうりんし》の傾城反魂香にも熊野のことが出たりするのを見れば、やはり歌比丘尼の歌から出てゐるに相違ない。
歌比丘尼が直接に懺悔物語を作つたといふことは言へないが、絵解きや其前の形式を襲《つ》いだ者が、次第に作つて行つたものと言へるだらう。同じ仏教関係の文学でも、懺悔の形をとらないのは、出発点が別なのである。
底本:「折口信夫全集 1」中央公論社
1995(平成7)年2月10日初版発行
底本の親本:「『古代研究』第二部 国文学篇」大岡山書店
1929(昭和4)年4月25日発行
※題名下に「大正十四年頃草稿」の記載あり。
※底本の題名の下に書かれている「大正十四年頃草稿」はファイル末の「注記」欄に移しました。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2007年9月6日作成
青空文庫作成ファイル:
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