なつたのである。謂はゞ、最みすぼらしい続貂論《ぞくてうろん》である。
この語の最濃厚な利用圏内に成人した私の、先生のあの研究に、とりわけ深い恩恵を受けたことの感謝の心を、外の方々――たとへば金田一先生のやうなお人たちにも見て頂きたい。此心持ちは、先生には固より、にこやかにうべなう[#「うべなう」に傍点]て貰へるものと考へるのである。
さかいに[#「さかいに」は太字] さかいで[#「さかいで」は太字]
そやさかい[#「そやさかい」に傍線]――さうやさかい――系統の語の第一のめど[#「めど」に傍点]になるそや[#「そや」に傍線]と言ふ語は、勿論さうぢや[#「さうぢや」に傍線]の発音のやつれた[#「やつれた」に傍点]もので、曾てその最完備した形さうである[#「さうである」に傍点]から来たものなることは、言ふまでもない。だから、其は論の外において、さかいに[#「さかいに」に傍線]・さかいで[#「さかいで」に傍線]又は、さかい[#「さかい」に傍線]の形を論じれば其で足る訣である。
さかい[#「さかい」に傍線]の三つの形のうち、最有力に使はれてゐるものは、さかい[#「さかい」に傍線]である。外の
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