が多く、それを言い中《あて》るを業とする術士も少なからぬ。さて伏蔵、募人に語るは、汝は剛の者でわれを怖れぬ。我れ毎夜かの王を喚ぶ。王我に答えたら我れ王の庫中に入れてやるべきに、かの王臆病者でかつて答えぬから仕方がない。我がほかに眷属が七つある。明朝伴って汝の家に行こうと、募人それはありがたいが明朝どうして汝らを迎うべきかと問うと、伏蔵答えて、汝ただ家内を掃除し糞穢を除き去り、香花《こうげ》を飾って極めて清浄ならしめ、葡萄、甜漿《てんしょう》、酥乳《そにゅう》の粥《かゆ》を各八器に盛って俟《ま》て、然《しか》る時八道人ありて汝が供物を食うはず、さて飲食《おんじき》しおわったら、汝杖を以て上座した者の頭を打ち隅《すみ》に入れと言え、次の者どももことごとく駆って隅に入れよと、募人心得て家に帰り王より五百金銭を受けて馳走を用意に及ぶ。王かの夜喚ぶ者は何物ぞと問うに、募人|詐《いつわ》ってあれは化物でござったと申す。それより理髪師を招き身じまいをした。翌朝馳走を備えた所へ果して八道人来り、飲食しおわるを俟ってまず上座の頭を打ち隅へ駆り入れると、たちまち変じて金銭一|※[#「央/皿」、第3水準1−88−73]《おう》と成った。跡の奴原《やつばら》も次第に駆り入れて金銭八※[#「央/皿」、第3水準1−88−73]が出来た。時に理髪師門の孔からこの体《てい》たらくを覗《のぞ》きおり、道人の頭さえ打たば金に成ると早合点して、他日自ら馳走を用意し心当りの道人八人を招待して飲食せしめ、すでにおわって門戸を閉じ、いきなり上座の道人の頭を打つと、これはただの人間だから血出て席を汚し、余りに隅へ駆り入るるの急なるより糞を垂れた。七人までかくのごとく打ち倒されたが八番目の道人力強くて戸外に突き出で、この主人は我らを殺さんとすと大いに叫んだ。国王人を遣わし理髪師を捉えて委細を聞き、更に人を遣わして募人の家を検するに金銭夥しく持ち居る。王その銭を奪うと銭が毒蛇また火の玉と成ったので、これはわれが取るべきでないと言って募人に返したと。この話の発端におよそ一切の法、求むべき処においては方便を以て得べし、もし求むべからずんば、強いて得んと欲すといえども、すべて獲《う》べからず、譬《たと》えば沙を圧して油を覓《もと》め、水を鑽《き》って酥を求むるがごとく、既に得べからずいたずらに自ら労苦すとある。その言い様
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