マ辺の俗信に、虎は人を殺して後部より、豹は前方より啖うという(ボールの『印度藪榛生活《ジャングル・ライフ・イン・インジア》』六〇五頁)。
 ガドウ教授蛇の行動を説いて曰く、蛇は有脊髄動物中最も定住するもので、餌と栖《すみか》さえ続く中は他処へ移らず、故に今のごとく播《ち》るには極めて徐々漸々と掛かったであろう。その動作迅速で豪《えら》い勢いだが、真の一時だけで永続せぬ事南方先生の『太陽』への寄稿同然とは失敬極まる。蛇の胴の脊髄とほとんど相応した多数の肋骨《あばらぼね》を、種々変った場面に応じて巧く働かせて行き走る。その遣り方はその這うべき場面に少しでも凸起の、その体の一部を托すべきあるに遇わば、左右の肋骨を交《こもご》も引き寄せて体を代る代る左右に曲げ、その後部を前《すす》める中、その一部(第三図[#図省略])また自ら或る凸起に托《の》り掛かると同時に、体の前部今まで曲りおったのが真直ぐに伸びて、イからハに進めらる。この動作をもっとも強く助勢するは蛇の腹なる多くの横|濶《ひろ》い麟板で、その後端の縁《へり》が蛇が這いいる場面のいかな微細の凸起にも引っ掛かり得る。この麟板は一枚ごとに左右
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