中、結び目を六つまで解く、宮に入って王の前で、七つ目の結びを解く、時に王水をその創《きず》に灌《そそ》ぎ、また両手に懸け、一梵士来りて祈りくれると、平治して村へ還ると。トダ人蛇咬を療するに、女の髪を捻《ねじ》り合せて、創の近処三所括り呪言を称う(リヴァルス著『トダ人篇』)。いかなる理由ありてか、紀州でウグちゅう魚に刺されたら、一日ばかり劇しく痛み、死ぬ方が優《まし》じゃなど叫ぶ時、女の陰毛三本で創口を衝《つ》かば治るという。『郷土研究』二巻三六八頁にも、門司でオコゼに刺された処へ、女陰の毛三筋当て置けば、神効ありと出《い》づ。ある人いわく、ウグもオコゼも人を刺し、女は※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]。その事大いに異なれど国言相通ず。陰陽和合して世間治安する訳だから、魚に一たび刺された代りに※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]※[#ゴマ、1−3−30]仇を、徳で征服する意で、女人の名代にその毛を用いるのだと。これは大分受け取りがたい。しかし女の髪といい、三という数がインドのト
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