この蝮は平生頭のみ露わして体を沙中に埋め、その烈毒を憑《たの》んで猥《みだ》りに動ぜず。人畜近くに及び、わずかに首を擡《もた》ぐ。人はもとより馬もこれに咬まるれば数時の後|斃《たお》る。しかるにこの蛇煙草汁を忌む事抜群で、この物煙草汁に中《あた》って死するは、人がこの物の毒に中って死するより速やかだから、ホッテントット人これを見れば、煙草を噛んでその面に吹き掛け、あるいは杖の尖《さき》にその脂《やに》を塗りて、これに咬み付かしむればたちまち死す。ブシュメン人、この蛇の動作鈍きに乗じ、急にその頸を跣足《はだし》で蹈み圧《おさ》え、一打ちに首を切り、さて寛《ゆっく》りその牙の毒を取り、鏃に着くるに石蒜《ひがんばな》属のある草の粘汁を和す。ブシュメン用いるところの弓は至って粗末なるに反して、その矢は機巧を究め、蘆茎を※[#「竹かんむり/幹」、第3水準1−89−75]《やがら》とし、猟骨を鏃とし、その尖に件《くだん》の毒を傅《つ》けて※[#「竹かんむり/幹」、第3水準1−89−75]中に逆さまに挿し入れ蔵《おさ》め置き、用いるに臨み抜き出して尋常に※[#「竹かんむり/幹」、第3水準1−89−7
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