一八七一年版シュルツェの『デル・フェチシスムス』五章)。『十誦律』に、優波離《うばり》が仏に詣り、〈比丘の呪術をもって、自ら畜生形と作《な》り、行婬す〉、また〈三比丘の呪術をもって、倶に畜生形と作って行婬〉する罪名を問う事あり。ローマの諸帝中、獣形を成して犯姦せし者数あり。宋以来支那に跋扈《ばっこ》する五通神は、馬豚等の畜生が男に化けて降り来り、放《ほしいま》まに飲食を貪《むさぼ》り妻女を辱しむる由(『聊斎志異』四)、これは濫行の悪漢秘密講を結び、巧みに畜《けもの》の状をして人を脅かし非を遂げたのであろう。
 人が蛇になった話は蛇のある地には必ず多少あって、その変化の理由も様々に説き居る。貪慾な者蛇となって財を守るとは、インド東欧西亜諸方に盛んな説で悪人生きながら蛇になる話はアフリカ未開人間にも行わる(一九〇三年版マーチン女史の『バストランド』十五章)。ただし貪欲でも悪人でもなくて蛇になった話もあって、甲賀三郎は、高懸山の鬼王とか、蛇に化けた山神を殺したとか(『若狭郡県志』二、『郷』三の十に引かれた『諸国旅雀』一)、その報いとしてか悪人の兄どもに突き落された穴中で、三十三年間大蛇となり
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