星を竜蛇と見立てたが多い。それから『聖書《バイブル》』にヨハネが千年後天魔獄を破り出て、世界四隅の民を惑わすと言ったを誤解して、紀元一千年が近くなった時全欧の民大騒ぎせし事、明治十四年頃世界の終焉《おわり》が迫り来たとて、わが邦までも子婦《よめ》を取り戻したり、身代を飲み尽くした者あったに異ならず。その時欧州に基督敵《アンチ・クリスト》現出して世界を惑乱させ、天下|荒寥《あれすさ》むといい、どこにもここにも基督敵産まれたといって騒いだ。その法敵も多く竜の性質形体を帯びた物だった(『エンサイクロペジア・ブリタンニカ』巻三)。第三図は、この法敵とキリストと闘うところだ。またそれに次いで大流行だった如安《ジャン》法王の伝というは、九世紀に若僧と掛落《かけおち》した男装の女が大学者となって、ついにレオ四世に嗣《つ》いで、ローマ法王となり、全く男と化けて世を欺きいた内、従僕の子を姙みし天罰で、あろう事か街の上に産み落したその場で死に、その子は世界終る時|出《い》づべき法敵として魔が取り去ったそうだ。この女は死して地獄に落ちるので地獄を竜の口としある(ベーリング・グールド『中世志怪』)。基督敵《ア
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