をえない。
実をいうと、今の××が君らに対して君らが期待するような光栄ある将来を約束しているかどうかについて、私は深い疑いをもっている。職工が特殊の技術を体得すべく努力するように、君らもおのおの得意とするところに精力を集中して、よい行政的職工になるように努力するほうがいいのかもしれない。そうして君らがその気になって出世を断念しさえすれば、君らの生活は今日からでももっと明るいものになるのかもしれない。ただ私は、今ここにこの点について、はっきりしたことを君にいいえないのをまことに遺憾とする。[#地から1字上げ](『改造』昭和六年八月号)
底本:「役人学三則」岩波現代文庫、岩波書店
2000(平成12)年2月16日第1刷発行
初出:「改造」
1931(昭和6)年8月号
入力:sogo
校正:noriko saito
2005年1月7日作成
2008年4月9日修正
青空文庫作成ファイル:
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