る「蹲る」ことに対してさんざん毒づいた後に、彼は小ジェリーを連れて銀行へ御出勤になり、大小二匹の猿のように銀行の前に陣取る。当時十二歳の小猿は父親の指にいつも鉄の銹がついているのを不思議がる。
第二章 観物 銀行(の戸外)へ出勤したジェリーはまもなく裁判所行の御用を仰せつかり、ロリー氏が行っているオールド・ベーリーへ入ってゆく。このジェリーの描写や会話によって読者は諧謔作家としてのディッケンズに幾分接することが出来る。このオールド・ベーリーにおける叛逆事件の公判の場面で、この物語における二人の主要な人物――互いに容貌が酷似しているシドニー・カートンとチャールズ・ダーネー――が初めて登場する。もっとも、この章では、カートンの方は、まだ名も記されず、ただ「両手をポケットに突っ込んで」、「法廷の天井ばかり眺めている」、「仮髪を著けた今一人の紳士」として簡単に漠然と紹介されているだけであり、彼はこれから後の章に至って次第次第にその姿を大きく現して、最後のこの小説中の最大の人物となるのである。また、ダーネーの方は、フランスの間諜の嫌疑をかけられたこの叛逆事件の被告、恐しい死刑の判決を受くべき
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