。その中にはさすがの間諜でも一人の母性をも見つけ出すことが出来ないほど、上流社会の家庭は乱れていた、というのがこの前後の意味である。
痙攣教徒  十七世紀頃フランスに起った一つの狂信的な宗派の信者。フランスにおけるヤンセン教徒の一派であって、痙攣的発作に陥ったりその他の奇怪な動作によって奇蹟的の治療を行うと称した。彼等はまたその痙攣的動作で未来を予言し社会を改善することが出来ると信じた。
類癇  全身硬直する病気。
テュイルリーの宮殿  以前パリー市の中央にあったフランス国王の宮殿。ルイ十四世時代からは華美を尽していた。
扁底靴  踵のごく低い、または踵のない、エナメル革の浅い靴。主として舞踏の時などに用いられるものである。
車輪刑  罪人の手足を車輪に縛って死に致した残酷な処刑。
ムシュー・パリー  パリー市の死刑執行吏をこう言った。普通にはムシュー・ド・パリー。
監督派流儀に  未詳。この監督派というのはプロテスタント監督教会派をさすのであって、その唱道した監督制度主義とは教会の主権を法王のような一主権者に委ねないで教会の監督たちの手に委ぬべきであるとしたものであった。
一絞刑吏に
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