りと通って出口の方へ行った。
「貴様なんぞは、」とこの人物は、彼の途中にある最後の扉《ドア》のところで立ち止って、例の聖堂の方角へ振り向きながら、言った。「悪魔に喰われてしまえ!」
 そう言うと、彼は足の埃《ほこり》を振り払うように指から嗅煙草を振り払い、それから静かに階下へと歩いて降りた。
 彼は、立派な服装をした、態度の尊大な、精巧な仮面のような顔をした、六十歳ばかりの男であった。透き通るように蒼白い顔。いずれもはっきりとした目鼻立ち。それに浮べた動かぬ表情。鼻は、他の点では美しい恰好をしているが、両方の鼻孔の上のところがごく微かに撮まれたようになっていた。その二つの圧搾したようなところ、あるいは凹みに、その顔の示す唯一の小さな変化は宿っているのだった。その凹みは、時としては頻りに色を変えることがあったし、また何か微かな脈搏のようなもののために折々拡がったり縮まったりした。そんな時には、それはその容貌全体に陰険と残忍との相を与えたのだった。注意して吟味してみると、そういう相を助長するその容貌の能力は、口の線と、眼窩の線とが、余りにはなはだしく水平で細いということの中にあるのであった
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