日の弁論におけるカートン氏の役割について少しでも感謝の意を表した者はなかった。誰一人としてそれを知りもしなかった。彼は法服を脱いでいたが、そのために別段風采がよくなっているという訳でもなかった。
「事務家の心が善良な直情と事務上の体面との二つに分れる場合に、その人がどんなつらい思いをするものかということが君にわかれば、君も面白がるんだろうがね、ダーネー君。」
ロリー氏は顔を赧くして、むきになって言った。「あなたはさっきもそのことを仰しゃいましたね。会社などへ勤めているわれわれ事務家は、自分が自分の思い通りにならんのですよ。われわれは自分自身のことよりももっと会社のことを考えなくちゃあならんのです。」
「わかってますとも[#「とも」に傍点]、わかってますとも[#「とも」に傍点]。」とカートン氏は無頓著に答えた。「そう怒っちゃいけませんよ、ロリーさん。あなたが人に劣らない善い人だってことは、僕は少しも疑いませんよ。いや、人より以上に、と言ってもいいでしょう。」
「それにですな、実際、」とロリー氏は、相手の言うことにも構わずに、言い続けた。「わたしにはあなたがそういう事柄にどういう関係がお
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