ンダに対する戦争においてフランスを援助するというドーヴァー条約を、一六七〇年に密かに締結した。このチャールズ二世は「陽気な国王」と綽名されていた。
「モンセーニュール曰いけるは、地とこれに盈てる物はわがものなり。」 新約全書コリント前書第十章第二十六節に「地とこれに盈てる物は主のものなればなり。」とある。その「主のもの」という原文の代名詞を「わがもの」と変えたのである。
収税請負人 フランスの王政時代に、一区域の租税を徴収する特権を政府から得て、その代償として政府に一定の額を支払い、その契約の定額以上に人民から搾取したものはことごとく自己の懐に収めることが出来た収税吏。この収税請負人はこうして人民を誅求して、大革命の前には人民にはなはだしく怨まれていた。
面紗をかぶる 修道院の尼僧になることを意味する。
バベルの骨牌塔 「バベルの塔」は、旧約全書創世紀第十一章に記されている、太古バビロンで天に昇るために建築しようとした高塔で、架空的の計画という意味に使われており、「骨牌塔」とは、骨牌札で築いたようなすぐに崩れる塔という意味であろう。
その社会の天使たち 上流社会の婦人たちをさす。その中にはさすがの間諜でも一人の母性をも見つけ出すことが出来ないほど、上流社会の家庭は乱れていた、というのがこの前後の意味である。
痙攣教徒 十七世紀頃フランスに起った一つの狂信的な宗派の信者。フランスにおけるヤンセン教徒の一派であって、痙攣的発作に陥ったりその他の奇怪な動作によって奇蹟的の治療を行うと称した。彼等はまたその痙攣的動作で未来を予言し社会を改善することが出来ると信じた。
類癇 全身硬直する病気。
テュイルリーの宮殿 以前パリー市の中央にあったフランス国王の宮殿。ルイ十四世時代からは華美を尽していた。
扁底靴 踵のごく低い、または踵のない、エナメル革の浅い靴。主として舞踏の時などに用いられるものである。
車輪刑 罪人の手足を車輪に縛って死に致した残酷な処刑。
ムシュー・パリー パリー市の死刑執行吏をこう言った。普通にはムシュー・ド・パリー。
監督派流儀に 未詳。この監督派というのはプロテスタント監督教会派をさすのであって、その唱道した監督制度主義とは教会の主権を法王のような一主権者に委ねないで教会の監督たちの手に委ぬべきであるとしたものであった。
一絞刑吏に
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