。しかし誰か行く者がありゃ、僕も行きますよ。考えて見れば、僕は決してあの人の一番親密な友人でなかったとは云えませんよ。途で会えば、いつでも立ち停って話しをしたものですからね。や、いずれまた。」
 話手も聴手もぶらぶら歩き出した。そして、他の群へ混ってしまった。スクルージはこの人達を知っていた。で、説明を求めるために精霊の方を見遣った。
 幽霊はだんだん進んである街の中へ滑り込んだ。幽霊の指は立ち話しをしている二人の人を指した。スクルージは今の説明はこの中にあるのだろうと思って、再び耳を傾けた。
 彼はこの人達もまたよく知り抜いていた。彼等は実業家であった。大金持で、しかも非常に有力な。彼はこの人達からよく思われようと始終心掛けていた。つまり商売上の見地から見て、厳密に商売上の見地から見て、よく思われようと云うのである。
「や、今日は?」と、一人が云った。
「や、今日は?」と、片方が挨拶した。
「ところで」と、最初の男が云った。「彼奴もとうとうくたばり[#「くたばり」に傍点]ましたね、あの地獄行きがさ。ええ?」
「そうだそうですね」と、相手は返辞をした。「随分お寒いじゃありませんか、ええ
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