\し上げました。
「どうか、いくらでも調べてください。なんなら、すぐお目の前で裸になって御覧にもいれましょうし、ポケットを裏返してお目にかけますから。」
 これは半分は言葉、半分は手まねでやって見せました。すると皇帝は、
「では、二人の士官に命じて身体検査をやらせるが、これは臣下の生命をお前の手にゆだねるのだから、なにぶん、よろしく頼む。それから、たとえどんな品物を取り上げても、お前がこの国を去るときには、必ず返してやる。でなかったら、いゝ値段で買い取ってやってもいゝ。」
 と言われました。
 さて、二人の士官が身体検査にやって来ると、私は二人をつまみあげて、まず上衣のポケットに入れてやり、それから、順次にほかのポケットに案内してやりましだ。が、どうしても、見せたくないものを入れていたポケットだけは、見せなかったのです。
 二人の男は、ペンとインクと紙を持って、見たものを、一つ/\くわしく書きとめ、皇帝の御覧にいれるために、目録を作りました。私もあとになって、その目録を見せてもらいましたが、それは、ざっと次の通りでした。

「まず、この大きな人間山の上衣の右ポケットをよく検査したところ
前へ 次へ
全249ページ中17ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
スウィフト ジョナサン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング