゚は、太陽、月、星などの模様に、提琴《フィドル》、横笛《フリュート》、竪琴《ハープ》、喇叭《トランペット》、六弦琴《ギター》、そのほか、いろんな珍しい楽器の模様を交ぜています。それから、召使の服装をした男たちは、短い棒の先に、膀胱をふくらませたものをつけて持ち歩いています。そんな男たちも、だいぶいました。これはあとで知ったのですが、この膀胱の中には、乾いた豆と小石が少しばかり入っています。
 ところで、彼等は、この膀胱で、傍に立っている男の口や耳を叩きます。これは、この国の人間は、いつも何か深い考えごとに熱中しているので、何か外からつゝいてやらねば、ものも言えないし、他人の話を聞くこともできないからです。そこで、お金持は、叩き役を一人、召使としてやとっておき、外へ出るときには、必ずついて行きます。召使の仕事というのは、この膀胱で、主人やお客の耳や口を、静かに代る/″\、叩くことなのです。また、この叩き役は主人に附き添って歩き、とき/″\、その目を軽く叩いてやります。というのは、主人は考えごとに夢中になっていますから、うっかりして、崖から落っこちたり、溝にはまりこんだりすることがあるかも
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