ォな連中が、毎日、雲のように押しかけて来ます。
そのために、村々はほとんど空っぽになり、畑の仕事も家の仕事も、すっかりお留守になりそうでした。で、皇帝から命令が出ました。見物がすんだ人はさっさと帰れ、無断で私の家の五十ヤード以内に近よってはいけない、と、こんなことが決められました。
ところで、皇帝は何度も会議を開いて、一たい、これはどうしたらいゝのかと、相談されたそうです。聞くところによると、朝廷でも、私の取り扱いには、だいぶ困っていたようです。あんな男を自由の身にしてやるのも心配でしたが、なにしろ、私の食事がとても大へんなものでしたから、これでは国中が飢饉になるかもしれない、というのです。
いっそのこと、何も食べさせないで、餓死させるか、それとも、毒矢で殺してしまう方がよかろう、と言うものもありました。
だが、あの男に死なれると、山のような死体から発する臭《におい》がたまらない、その悪い臭は、国中に伝染病をひろげることになるだろう、と説くものもありました。
ちょうど、この会議の最中に、私があの六人のやじ[#「やじ」に傍点]馬を許してやったことが伝えられました。すると、皇帝も
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