食の群が、一せいに馬車の両側に集って来ました。これは実にもの凄い光景でした。胸におでき[#「おでき」に傍点]のできた女が一人いましたが、とても大きく脹れ上っていて、一面に孔だらけなのです。その孔というのが、私の身体など潜り抜けることができそうな奴です。だが何よりたまらなかったのは、彼等の着物を這いまわっている虱でした。それがちょうど、あのヨーロッパの虱を顕微鏡で見るときよりも、もっとはっきり肉眼で見えます。そして、あの豚のように嗅ぎまわっている鼻など、こんなものを見るのは、はじめてゞした。
 いつも私を入れて歩いていた箱のほかに、王妃は、旅行用として、小さい箱を一つ作らせてくれました。今までのは、グラムダルクリッチの膝には少し大き過ぎたし、馬車で持ち運ぶにも少しかさばり過ぎたからです。この旅行用の箱は、正方形で、三方の壁に一つずつ窓があり、どの窓にも外側から鉄の針金の格子がはめてあります。一方の壁には窓がなくて、二本の丈夫な留金がついています。私が馬車で行くときには、乗手がこれに革帯を通して、しっかり腰に結びつけるのです。
 こんなふうにして、私は国王の行列に加わったり、宮廷の貴婦人
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