》有り哀楽《あいらく》ありで、一部の好小説《こうせうせつ》が出来るのです、で又《また》今後の硯友社《けんいうしや》は如何《いかに》と云《い》ふのも面白《おもしろ》い問題で、九年の平波《へいは》に掉《さをさ》して居《ゐ》た私《わたし》の気運《きうん》も、来年以後は変動《へんどう》を生《しやう》ずるであらうと念《おも》はれるのです、
硯友社《けんいうしや》の沿革《えんかく》に就《つ》いては、他日《たじつ》頗《すこぶ》る詳《くは》しく説《と》く心得《こゝろえ》で茲《こゝ》には纔《わづか》に機関雑誌《きくわんざつし》の変遷《へんせん》を略叙《りやくじよ》したので、それも一向《いつかう》要領《えうりやう》を得《え》ませんが、お話を為《す》る用意が無かつたのですから、這麼《こんな》事《こと》で御免《ごめん》を蒙《かふむ》ります、
[#地付き](明治34[#「34」は縦中横]年1月1日「新小説」第6年第1巻)



底本:「明治の文学 第6巻 尾崎紅葉」筑摩書房
   2001(平成13)年2月20日初版第1刷発行
底本の親本:「紅葉全集 第十巻」岩波書店
   1994(平成6)年11月
※佃速記事務所員筆記
※文字遣い・仮名遣いの誤用・不統一は底本のままとしました。
入力:門田裕志
校正:多羅尾伴内
2004年11月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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