で押しつめられ、死の権利をも自ら放棄した者の、最後のただ一つの足場であった。
その一つが書けなければ、この小説は凡て無駄である。本当に云いたいこと、本当に書きたいことが、如何に僅かであり、而も下らないことばかりを、如何に多く云ったり書いたりしなければならないことか。この小文でさえも既に、中核を逸した下らない文字の羅列に終っていはしないかを、私は恐れる。
底本:「豊島与志雄著作集 第六巻(随筆・評論・他)」未来社
1967(昭和42)年11月10日第1刷発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2006年4月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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