#「足へん+宛」、第3水準1−92−36]くのを無理に押えつけて、布団の上に寝かした。すると依子はぐったりと身を投げ出して、泣き止んだまま黙ってしまった。三人はその周囲に立ち並んだ。三人共初めから一言も発しないでいた。息を凝したような沈黙が落ちた。彼はそれに気付いて俄に恐ろしくなった。殆んど機械的に電気の覆いを取った。ぱっと明るくなった。彼は云った。
「どうしたんです!」
同時に兼子も云った。
「どうしたんでしょう?」
幾代は長くつめていた息をほっと吐き出して、依子の方を覗き込んだ。――幾代自身も事の起りを知らなかった。彼女がふと眼を覚すと、依子はもう上半身を起こして室の隅を見つめていた。彼女はその肩に手を置いて何か云おうとした。そしてはっとした。石にでも触れたような感じを受けた。次にその眼付を見た時、彼女は堪らなくなって飛び起きたのだった、兼子を呼びに。
見ると、依子は眼をつぶっていた。険しい息使いをしていた。顔がぼーっと赤くなっていた。兼子はその上に屈んで、額に手をあててみた。そして声を立てた。彼も手をあててみた。額が焼けるように熱かった。揺り起すと、依子はぼんやり見廻したが
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