ルジュのほうも我慢強くはなかった。二人の間にはかなり激しい口論が起こった。そしては数週間顔を合わせなかった。クリストフは、そういう憤激がジョルジュの品行を改めさせるものではないこと、一つの時代の道徳を他の時代の道徳観念で律するのは穏当でないこと、などをよく知っていた。しかし彼は我慢ができなかった。機会が来ればすぐにまた同じことを繰り返した。自分が生きてきた信念を、どうして疑うことができようか? それは生を捨て去るのと同じである。隣人に似寄るために、もしくは隣人を用捨するために、ほんとうの考えとは違った考えを装っても、それがなんの役にたつものか。それは自分自身を破壊するばかりで、だれの利益にもなりはしない。人の第一の義務はありのままのものとなることである。「これはよい、それは悪い、」と思い切って言うことである。弱者と同じように弱くなることによってよりも、強者であることによって、人はより多く弱者のためになる。すでに罪を犯した弱点にたいしては、寛大でありたければあるもよい。しかし罪を犯さんとするいかなる弱点にたいしても、けっして妥協してはいけない……。
 まさにそうである。しかしジョルジュは
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